今年もあとわずかとなり、景気が悪いながらも無事に一年が過ごせたことに感謝してちょっと高価な万年筆を一本奮発しようと考えていた。プラチナの「出雲」の溜塗が気になっていたのだが、昨日行きつけの文具店でパイロットの「カスタム 一位の木」を見つけてしまった。
販売店向けには今年の夏過ぎに「石目」などと同時に発表されていたようだ。しかしパイロットのWebサイトには未だ発表されていない。軸の製法は「カスタム カエデ」の樹脂含浸ではなく、圧密というセーラー「智頭杉」と同じ手法らしい。だから「智頭杉」同様、軸は木100%ということだ。ペン先は5万円の万年筆らしく、カスタム845と同じ18金の15号がついている。カスタム845の木軸仕様と呼べそうだ。しかし外観はよく似ているが、首軸のネジがカスタム845とは互換性がなく、互いに装着することは出来なかった。エボナイト+漆の漆黒のボディも美しいが、ダークブラウンの軸は今後どのように熟成されていくのか、非常に楽しみである。実測で31gと適度な重量があり、キャップを差しても差さなくてもバランスがほとんど変わらないスグレモノだ。
今回の「カスタム 一位の木」には印傳のペンケースがついている。甲府の「印傳屋」製作のものだ。万年筆本体同様、使い込むことによってペンケースも熟成されていく。せっかくの伝統工芸品のペンケースだが、一張羅の万年筆ではないので出番がどれだけあるのか。ちょっと勿体ない。
販売店向け資料によれば、他にはペンサンブルシリーズのダークブラウンも発表されている。Webでは何もアナウンスされていないが、正式に発売されているそうだ。
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