2011年4月4日月曜日

湯泉地温泉・やど 湯の里

年度末で仕事も一区切りしたので、気分転換に行ってきた。奈良県の半分を占める吉野郡の、その1/3位を占めている十津川村の役場近くに湯泉地温泉はある。国道168号線を離れ、十津川村の官庁街とも言うべき集落を抜けて、川沿いをいくと「やど 湯の里」はあった。集落のはずれというより、集落からはずれて一軒だけ建っている。滞在中に出会ったのは、パトロールのお巡りさんただひとり。通るクルマも人もいない。だから、静かなんてものではない。夜にならなくても物音ひとつしない静寂な時間が過ごせる。

込み込みの15800円で予約しておいたので、二間続きの角の部屋に通された。眺望の良い昔ながらの旅館らしい部屋である。一休みして早速温泉へ。玄関や客室は道路に面した一階にある。そこから数えれば、浴室は地下一階になるが、川の縁に建っているので露天風呂もある。源泉かけ流しのお風呂は単純硫黄泉で、硫黄の匂いがかすかにする。川にせり出して露天風呂が作られているので、ただの露天風呂ではなく空中露天風呂だ。視界を遮るものはなにもない。川を渡る風を受けながら温泉に浸かる。内湯はちょっと熱め、露天はぬるめの湯温になっている。洗い場は狭く、カランがないのでちょっと不便を感じるが、それも味のうちか。

夕食は案内されて別室へ。メインの猪鍋はじめ小鮎のあんかけや岩魚など山の幸が並ぶ。そして特筆すべきは見事な包丁捌き。腕に自信があるのか、細工物がさりげなく添えられている。味も薄味で好みの味付けだった。料亭で出されるようなお膳はちょっと意外だった。

翌朝、巨人ファンの主人と話をした。曰く、温泉は完全な掛け流しで源泉と直結しており、湯温も成り行きとのこと。また、お湯が荒れるので、日帰り入浴はやっていないとのこと。源泉が2本あって、女湯の内風呂だけが源泉が違うこと。(成分も多少違うらしい)女将が入院中なので、一日三組しかお客をとらないこと。料理は大阪で修行した、などなど。
川と道路の隙間に建つ旅館なので、とにかく細長い。そしてバリアフリーとはほど遠いけれど、それなりに設備の改修もされている。静かな環境と、繊細な料理は星4つかな。(★★★★☆)

ちなみに公共交通機関では大和八木駅からバスで約4時間、十津川村役場前下車。事前に乗るバスの時間を伝えておけば、役場まで迎えに来てくれるとのこと。

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